地域脱炭素とエネルギー会社設立に向けて

江戸川区は、2050年に向けてカーボンニュートラルを目指す「江戸川区カーボン・マイナス都市宣言」を行っている。これは、地球温暖化に対する具体的な対策として、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目標に掲げているものだ。
このため、江戸川区では区内の企業や住民と協力し、再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギー対策を進めている。
さらに、カーボン・マイナス社会の実現に向けて加速を図るため、区内事業者の脱炭素経営を支援することを目的として、東京商工会議所江戸川支部と「カーボン・マイナス推進に関する連携協定」を締結している。

江戸川区では新たな取り組みとして、太陽光発電などの再生可能エネルギーの地産地消を促進するための「地域エネルギー会社」の設立を計画している。現状では区内のエネルギー自給率が低いため、エネルギー使用料が区外の電力小売事業者へ流出しているが、江戸川区の地域エネルギー会社を設立することで、区内のエネルギー使用料が地域経済を循環することを目指す。また地域で災害が発生した際のエネルギー問題など、災害対応力工場の一翼を担う。
現在、江戸川区では環境省の脱炭素先行地域の選定を受けるための計画づくりを行い、脱炭素と地域経済の活性化を目指した勉強会を定期的に開催している。
地域エネルギー会社の設立により、地域内で生成される再生可能エネルギーの利用をさらに促進し、エネルギーの地産地消を実現することで、カーボン・マイナス都市への大きな一歩を踏み出すことが期待されている。

目次

説明会・勉強会が開催されました!

令和6年6月2日
地域エネルギー会社設立に向けた説明会【事業者向け】

「なぜ江戸川区に地域エネルギー会社が必要なのか」
地域エネルギー会社が必要な背景と、環境省の脱炭素先行事業について説明がありました。参加者は、地元企業や東京商工会議所江戸川支部など。
質疑応答では、再生可能エネルギーの発電や活用方法、既に脱炭素先行地域に選定された地域の事例に関して質疑が行われ、地元企業の注目がうかがえました。

令和6年6月16日
地域脱炭素を実現するための勉強会 第1回【区民向け】

松江地区、船堀地区の町会や地域住民の方々が参加し、ワークショップ形式でエネルギーに関する意見交換会が行われました。
町会では「省エネの取り組みに限界を感じている」や、「古い戸建に太陽光パネルを設置できるか心配」など、普段から省エネ・温暖化対策に関心を持っていることが感じられる意見が多く寄せられていました。

令和6年8月18日
地域脱炭素を実現するための勉強会 第2回【区民向け】

第1回と同じく、松江地区、船堀地区の町会や地域住民が参加。
千葉商科大学基盤教育機構 准教授 田中信一郎氏を招いて「これからのくらしを考える」をテーマにワークショップが行われました。
各自が発表した日常の困りごと・不安なことなどの地域の課題を、脱炭素をゴール(目的)ではなく手段として活用することで解決出来ると締めくくられました。

説明会参加者

東京商工会議所江戸川支部会長 森本 勝也さん

江戸川区にエネルギー会社が設立されることで、エネルギー使用料が割安になることに加えて、発電設備や蓄電池の販売・設置工事等により、区内の事業者に事業機会が創出され、地域経済の好循環が実現することを期待しています。
今後は、商工会議所が持つ経営の知識や経験を江戸川区と共有し、事業計画や各種問題のサポートを行っていきたいと考えています。

江戸川区環境部
気候変動地域連携課長
柿澤 佳昭さん

この「脱炭素」という課題は、世界が、日本が、東京都が、そして江戸川区が取り組まなければならない非常に重要な取組みです。
一方で、地域の皆さんからは「脱炭素」という言葉だけでは、どのように向き合い、取り組めばよいのかイメージがしづらいという声をよくうかがいます。
この勉強会は、地域ぐるみで太陽光による再生可能エネルギーをメインに脱炭素社会の実現と地域課題の解決の両立を目指しています。その実現に向けて、地域エネルギー会社設立を検討しているところです。興味があればどなたでも参加できます。
「脱炭素」が「みんなのしあわせ」につながることを理解し、その行動が江戸川区全体へ広がっていけばと私たち区職員も力が入ります。

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